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「下町ロケット」 最初のページ
(ブック at 01/16 08:00)
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言った。
「悪戯(いたずら)しないでうまく打ちあがってくれよ、セイレーン」

"セイレーン"とは、今回の実験衛生打ち上げロケットに搭載する新開発エンジンのコードネーム
である。
ギリシャ神話に登場する海の精に由来する名を持つこのエンジンは、新開発のシステムを搭載した
大型水素エンジンで、佃の研究テーマの結晶と言っても過言ではない。

このエンジンを開発するために、佃は大学で七年、さらに宇宙科学開発機構の研究員になってから
の二年という年月を費やしてきた。
試行錯誤の積み重ねの上に開発されたセイレーンは、今回の打ち上げによって商用ロケット実現
への道を大きく切り拓く試金石になるだろう。

だが、このロケットにこのエンジンを搭載することの重圧は相当なものであった。
実験用とはいえ、大型ロケットを飛ばすには百億円を超える金がかかる。
それがすべて国家予算で賄(まかな)われている関係上、仮に失敗でもすれば、厳しい世論に
さらされることになるからである。


(つづく・・・)






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